(二)この世界ごと愛したい




「トキに言いつけてやる。」


「ばっ…やめろ!それだけはやめろ!?」




揉めることもありましたが、どうにかこうにか仲直り出来てよかった。



アキトは私を部屋に連れて行ってくれて、私はまたすぐにごろんと横になる。


…今日は飛び過ぎて疲れた。





「俺も飯と風呂済ませて来るから、次はもう勝手に出るなよ?」


「うんー。いってらっしゃいー。」




アキトにヒラヒラと手を振って、私はアキトの部屋で一人考えている。


それは、明日行く戦場のこと。





「…あんまり力使うと、るうにバレるらしいからなー。」



輝石が熱を帯びる反応があることは、出国前にるうにチラッと聞いた。


出国して早々に心配をかけるわけにはいかない。



…極力、力は抑えなきゃ。





「うん、やってみよう。」



私は一つの結論に辿り着く。


それと同時に、二本の剣に手を伸ばす。





「…力を貸してね。」



ハル、るう。



明日は盛大に舞ってみよう。


そうして二本の剣を、この腕に抱きしめるように抱えて私は眠る。