かぐや姫の夢を見ていたらしいアキト。



よく分からないことをブツブツ呟きながら起き上がったと同時にトキがすぐに部屋の灯りを付ける。





「アキト、リンはちゃんといるよ。」


「…だなあ。」


「リンがいなくなったと思ったの?」


「…あー起きるのが惜しかった。あと一歩でめかし込んだリンが手に入ったのに。」




めかし込んだ私が手に入る?


どんな夢だ?





「私偽物らしいけど?」


「あ?あー…偽物でも結局可愛いから良い…じゃなくて!何言わせんだ馬鹿かお前!?」


「褒められてるのか怒られてるのか分かんない。」


「酒だ!酒飲むぞ!!!」




思わぬことを口走ってしまったらしいアキトは、少し赤くなって部屋を出て行ってしまう。


その姿を見てトキと二人で笑ってしまった。





「じゃあリンも広間でご飯にしよ……あ。その前にシオン起こしてきてくれない?」


「何で私が!?」


「リンが起こした方が面白そうだから。」




何故かシオン将軍を起こしに行けと言われ、丁寧に部屋を教えてくれる。


トキはアキトを追って広間へ行ってしまって、私はトキの良いように使われているんだと思う。




大体起こすだけなのに何が面白いんだ。






「あー私も後で飲もうかな。」




パシリ同然のこの現状にやけ酒を決意。


そして教えてもらった部屋に、シオン将軍を起こしに向かいます。