本当にアキトって良く分からない。


二人には二人の関係性があるんだろうけど、レンもレンで無頓着で無気力な人だから尚更難しい。




「ごめん。レンのこと聞いた私が悪かったね。」


「…お前がさっさとレンの手を取っちまえば、俺もお前にそんな顔させずに済んだのになあ。」


「……。」


「それで今度はトキの結婚話に首突っ込んで自分がトキを掻っ攫うって?」




あらー。


トキさん話進めるのが早いですねー。




「そりゃ突っ込みたくなるよ。トキが良く分からないお姫様に虐められて結婚させられちゃうなんてほっとけない。」


「だからさっきトキとも少し揉めた。」


「そんな風に見えなかったけど!?」


「…その件に関してはお前を巻き込むなってトキに言ってたんだ。なのに早々破りやがって。」




アキトがトキに怒ってるとこ、やっぱり私には想像出来ません。





「レンにしてもトキにしても、俺の力は肝心な時に及ばねえ。」


「え?」


「そんな両方をお前が救うんだなあ。」


「…アキト大丈夫?」




アキトにしては卑屈すぎない?


どうしちゃったの?





「リン。」




私の膝の上で仰向けになったアキト。


そんなアキトと私の視線が交わる。





「ずっと鳥籠にいたお前がこうして外に出られて俺は嬉しい。」


「う、うん。」


「…けどたぶん、鬼人も今こんな気持ち何だろうなと思える感情も俺の中にはある。」




どこまでもよく似ている二人。


こんなところまで似てしまうのか。



だけど、それを極力口に出さないのがハル。口に出してしまえるのがアキト。









「危険に晒すくらいなら、お前を鳥籠に押し戻したいと一瞬考えた。」