それを聞いて私はどうすればいいの?
違う可能性だってある?
トキの勘違いってことも考えられない?
「…シオンって、そういう人らしいよ。」
「で、でも私本当にそこまでしてもらうほど…何かした覚えはないんだけど…。」
「だから言ったじゃん。リンがそれだけ可愛かったんだよ。」
「可愛いで、戦出来るもの…だっけ?」
私の知る限りはたぶん無理。
シオン将軍の考えなんて、膨大すぎるし遥か先を行き過ぎてて分からないけど。
「うちの軍はできるよ?アキトが既に骨抜きにされてるし?」
「あ、アキトは…だって!」
「リンのことが好きだからだよね。シオンもそうだったらどうする?」
「……。」
もう情報過多でフリーズした私。
シオン将軍が、私を…好きだとしたら。
もしそれが本当なら畏れ多いの一言に尽きる。憧れの人だけれども、恋愛云々とは結び付けられない。
「リン顔険しいよ。俺はシオンに手を貸し過ぎたかな。」
「……。」
「まだ固まってるね。それでもシオンって口下手で誤解されやすいから。リンにだけは分かっててあげてほしいんだ。」
口下手は、確かにそう思う。
もっと人付き合い上手くなった方が良いと思う。
それに、誤解なんてもう出来そうにない。
「…送ってあげるくらい、やらなきゃバチが当たりそう。」
「はは、強引な兄ですみません。」
「強引さで言うとうちの兄も負けてないから。慣れっこです。」
「偉大すぎる兄を持つのも大変だよね。」
それはもう、本当に。
仰る通りです。

