…でも、そっか。
そこまではっきり覚えてるならきっと私と昔に会ったと言う話は本当なんだろうな。
「また思い出しとくよ。じゃあ私トキの部屋に一足先に戻りますねー。」
そう言って立ち上がり広間を出ようとすると。
また酔った隊士達に絡まれる。
「リンちゃん今日も飲もうぜ!」
「もう昨日散々飲んだし。起きた時頭痛くてしんどかったんだよー?」
「そう言わずにちょっとだけ!なっ?」
「えー。」
隊士の一人が私の手をグイグイ引っ張る。
どうしようかなー。
今日はアキトの部屋で寝るわけじゃないし、トキなら間違っても昨日みたいなことにはならないだろうけど。
「お、リンちゃん!こっちも来てくれ!」
「っ!」
別の隊士が私のもう一方の腕を掴み引っ張る。
それは今日負傷した左腕。
心配させないよう顔に出さないようにしたものの、私は次は別の力によって後ろへ引かれる。
「…し、シオンさん?」
隊士達もシオンのことは知っている。
この人がどれだけすごい将軍なのかも。その力量も。
そんな人が私を後ろからやや抱きしめる形に近い体制で。助けてくれた。
「…腕。」
「ちょっと静かにしようねー。」
私はシオン将軍を引っ張り。
勢い余ってトキの部屋まで連れて来てしまう。
「もう少し空気読んでよ。」
「貴女もはっきり言うべきです。」
「あそこで私が痛がったら隊員の人だけじゃなくてサクも落ち込むでしょ!痛くないけど!!」
戦に秀でていても人付き合いは苦手そうだな。
それにしてもトキの部屋に勝手に入っちゃったし、勝手に連れて来ちゃったし。
「…トキ呼んで来てくれない?」
「何で俺が。」
「…あ、確かに。」
姫あるあるです。
大体その辺にいる人は言うこと聞いてくれるので。癖が出ちゃいました。
シオン将軍を顎で使おうとした私が悪いです。
「けち。」
「……。」
悪い自覚はあるけど、不満には思います。
「ここまで引っ張ってきてごめんねー。トキは自分で呼んで来るから。あとはご自由にどうぞー。私の城じゃないけど。」
「奔放さは幾つになっても変わらない…か。」
「何か言った?」
「…戦の詳細は覚えてないですけど今の考えなら伝えられないことはない。どうします?」

