借り暮らしの身なので、出来るだけお風呂は手短に済ませて。
ハナちゃんが用意してくれた着替えに袖を通す。ふんわりとした着心地のいいワンピース調の寝衣。
「サッパリしたー。」
そして、アキトの部屋に戻ろうと浴場を出た。
けど朝から何も食べずに出国した私の鼻を、美味しそうな香りが誘惑する。
…良い匂い!!!
私は食欲に負けて、アキトの部屋へ向かう足を方向転換。
「…ここかなー?」
匂いの元となる部屋のドアを開けると、ガタイの良いお兄さん達が食事とお酒を楽しんでいた。
「お、女だっ!!!」
「しかも上玉だぞ!隊長の連れか!?」
お兄さん達は私を見て大盛り上がり。
ドアの前に立ち止まっていた私は、すぐにグイグイと引っ張られ部屋に入れられる。
「嬢ちゃん可愛いなあ!」
「えっ…と?」
「隊長の連れだろ?隊長はどうした?」
「部屋から出て、どこか行っちゃったけど。」
このお兄さん達は私のことを知らない。
つまり、ディオンの戦には参加していない兵だったんだろう。
「お、ラッキー!じゃあ事は済んだ後か!」
「事?」
「まあまあ!じゃあ俺等と飲もうぜ!」
「私も食べていいの!?」
嬉しい!ラッキーは私の方だ!
目の前に広がるお料理を見て思わず笑みが溢れる私に、お兄さん達はわざわざお酒もご馳走してくれる。
「嬢ちゃんいける口だなあ!」
「実は朝から何も食べてなくて助かったよー。お兄さん達はお城の守備兵の人なの?」
「ああ。今は戦続きでバタバタしてっけど、俺達は城の守りが仕事だからな!今のとこ暇なんだ!」
「そうなんだー。」

