アキト軍のお抱え将軍であるサク。


こうしてアキトが城にいるということは、戦を先導しているのはサクということ。





「アキトさん。リンちゃん今日からここに住むなら、空いたお部屋に案内します?」


「リンはここで過ごすからいい。」


「…それ大丈夫なんですか?こんな可愛いリンちゃんを傷付けない自信あります?」


「お前はいちいちうるせえなあ。俺を何だと思ってんだよ。」




ハナちゃんはアキトを、信用ならないと言わんばかりにじっと睨む。





「ハナちゃん大丈夫だよ。私これでもアキトより断然強いから。」



「アキトさんより強いの!?」


「断然は言い過ぎだろ!紙一重だ!!」




私の言葉でハナちゃんの憂いは払拭できた様子。


もうすぐ日が沈み始める時間のため、ハナちゃんは夕食の準備があると言って城下層へ降りて行った。







「アキト。」


「あ?」


「言える範囲でいいんだけど、戦況教えてくれない?」




アキト軍の戦況を。


追放されたとは言え元は他国の人間に、全てを話せるものではないと思う。話せないのが通常だということも理解してる。




それでも、出来るだけ情報がほしい。






「敵は南の国ソル。元は五万。今はたぶん三万くらいまで減らした。」




アキトは躊躇いなく情報を開示する。




…よりにもよってソルか。



私が先日、南の国境で追い払った一万の軍もソルの軍。


追い払ってばっかりになっちゃうなー。