割れそうなくらい痛む頭。
そして、隣から私を呼ぶアキトの声。
「リンもう起きろ。朝稽古始まんぞ。」
「いっ…うー。」
「そら頭も痛てえよなあ。飲み過ぎなんだよ。」
あまりの痛みに、眠いと思いながらも目を開ける。
「あき…と。」
「ん?」
そうか。
昨日は文字通り浴びるほどお酒を飲んで。
アキトに……。
「リン、朝稽古…」
「〜っ無理!!!出来ない!!!」
全てを思い出した私は、未だ私を抱き締めたままのアキトから離れようと動く。
稽古なんてそれどころじゃない!!!
私は昨日何を…!!!
「お、落ち着けリンっ!」
「とにかく離して!アキトのばかー!!!」
城中に響くほど私は堪らず叫ぶ。
「リンちゃんっ!?」
「は、なちゃ…!助けてっ!!!」
「ええっ!?」
私の救世主ハナちゃんが、驚きながらもアキトから私を引き剥がして助けてくれた。
私はもうハナちゃんにしがみつく。
「アキトさん何したんです!?」
「二人ともとにかく落ち着け。とりあえず今日の稽古…無理だな。そうだ、無理だ。落ち着いて話そう?な?」
アキトが話そうと促すが。
昨日の恥ずかしい行為が頭に蘇り、私は火が出るほど顔が赤く染まる。
「…でき、ない。」
「それはマズいって。トキが帰ってきたら俺が殺される。」
稽古なんて今はとても無理。
心乱れすぎてたぶん怪我人で溢れ返す自信がある。
それにもうどんな顔でアキトと話せばいいのか分かんない!!!
「自業自得でしょう!?とにかくリンちゃん私が預かります!隊士の皆さん待ってますからアキトさん行って来てください!!!」
「…ちっ。」
ハナちゃんに怒られたアキトは渋々部屋を出て、稽古出来ない旨を説明しに広場へ向かう。
「ハナちゃんー…。」
「リンちゃんもう大丈夫!とりあえずお風呂入ってコーヒー飲んで、私といよっ!」
アキトがいなくなったことで素直に落ち着く私の心。
そしてハナちゃんに大いに癒されている。

