アキトの手がそっと私の後頭部に添えられる。
アキトに委ねていた身体が、そっと後ろに倒される。
「リン。」
「やだ。」
「…まだ何も言ってねえし何もしてねえだろ。」
確かに私は寝台に倒されただけ。
その上にアキトがいるだけ。
だけどそんなアキトの目が、熱を持ったように見えたから。
「…いわないで。」
「……。」
「私もう、傷付けるの…やだよ。」
もう誰にも傷付いてほしくないよ。
だから言わないで。
「リン。」
「やっ…。」
耳を塞ごうとした手を、アキトが阻止するため両手共に押さえられる。
その先を、言わないで。
「…お前が好きだ。」
ああ。
やっぱり、ハルとアキトは違う。
ハルならここで、きっと言いたい言葉さえ私のために飲み込む人。
私はまた、断らなきゃならないのか。
傷付けなければならないのか。
「お前に惚れてんのは事実だ。だけど、俺はその先の話をする前にレンとケリ付けてくる。」
「レン…?」
「それまで言わないでおこうと思ってたのに。こうなったのはお前が悪い。」
「…わ、たし…。」
レンとのケリとやらが終わるまで保留にしろと言うことか。
てか、私に気持ちを伝えるのにレンに何の関係があるんだろう。そしてそれまでどうしていればいいんだろう。
「そのままでいい。それにお前にならどれだけ傷付けられても構わねえよ。寧ろやってみろ。」
「…ばか。」
るうみたいに。
泥酔後に朝になれば全部忘れてるなんて、都合のいいことが起こるといいのに。
「馬鹿はお前だって言ったよなあ?」
アキトが何故かニヒルな顔で笑ってる。
「へ?」
「お前、状況分かってんの?」
「じょうきょ…?」

