「っリ…!?」
「やっぱりアキトがいい。おにーさんごめんね?」
目の前にいたお兄さんにお詫びを言ったと同時に、私の身体は宙に浮く。
「…お前等全員覚えとけよ。」
私を抱えたアキトが私とお酒を飲んでいた人達に向けて、低い声で言い捨てる。
そのままアキトは私を連れて自室へ戻る。
「水飲むか?」
「やだ。」
「…もう寝るか?」
「やだ。」
部屋に着くなり、やだやだと駄々を捏ねる私。
それをどうしたものかと悩むアキト。
「まだみんなとお酒のみたいのー。」
「もうダメだ。」
「アキトいじわるー。」
「……。(もう可愛すぎてどうする。)」
私はアキトに降ろしてもらった寝台の上で、目の前に立つアキトを睨む。
「…その顔止めろ。」
「じゃあもっかい抱っこして?」
「はあ?」
「それもらめ?」
アキトは溜め息を吐きながらも、そのまま私を抱きしめてくれる。
優しくて、あったかい。
「…お前飲み過ぎ注意だな。」
「らいじょーぶ。」
「どこがだよ。」
「アキトがいるもん。」
私はアキトをぎゅっと抱きしめ返す。
「っ…。(これは、ヤバい。)」
「んー。」
「(どうする。マジでどうする。離れないとこれ以上はマズい。)」
「…うー。」
私はまだ浮遊感が抜けない。
なのでもうアキトに身を委ねることにしました。
「リン。」
「んー。」
「俺はお前の優しい兄貴じゃねえぞ?」
何をそんな当たり前のことを。
確かに王宮で初めて出会った時は、ハルに似ててすごく安心出来る。そんな人だった。
だけどいざハルが目覚めたら、嫌でも気付くその違い。
「ハルとアキトは…ちがう。」
「……。」
「にてるのに…ちがうの。」
「…そうか。」

