まさかの殺人予告。


頭割るとか怖すぎる殺し方じゃん。




「…それは見せられないなー。」


「そらな。」


「…見たらきっと、私は消えちゃう。」


「は?」



私の頭の中なんて、そんなもの。


嘘と偽り、戦で流れる血、この世で一番残酷な隠し事。そんな醜いもので溢れている。



それを晒すことになるならば、きっと私はこの世界から消えてしまう方がいい。





「私って花火みたいじゃない?」


「は?」


「綺麗だとか華やかさとかは置いといて。あの存在感と、儚さは私に似てるなーって思うの。」


「…俺には分からん。」



夜空を一瞬で照らして、ただ散る。


そんな風になりたいと言う願望混じりの思い。





「だから花火好きなんだー。」


「…お嬢は花火より、蝶みたいやなって思うけど。」


「おっと昆虫か。」


「ひらひらどっか飛んで行って、気付いたら帰って来て。ほんで色んな男の甘い蜜だけ吸ってまたおらんなる。」



い、言い方!?!?


おーちゃんから見た私はとんでもない移り気の多い女なのか!?!?




「ひ、ひどい!私別に吸ってない!」


「じゃあ俺等がただ餌撒いてお嬢を待ってるんやな。」


「例えが悪い!だって私はっ…!」




だって…。


私は、どうせ。




どうしたって、桜の花に目がいってしまう。





「最終的に、お嬢はどの花を選ぶんやろうな。」


「…分かってて言ってるよね?」


「分からん。俺は俺であってくれと思ってる。」


「…私にはこの世界の定義が良く分かんないもん。好き合って結婚してって言うのがイコール幸せになる意味が分かんない。」