「本当、理不尽な差だなー。」


「はあ?」




そんなどうしようもないことを憂いても今は仕方ないので。


私は一旦稽古を止め、アキトへ特殊な剣に持ち替えるように伝える。




「これ俺が使うのかよ!?」


「そうだよ。私の見立てでは、たぶんアキトは別の武器に持ち替えた方がいい気がする。」


「そうかあ?俺も色々試したけど、なんかイマイチだったんだよなあ。」


「大丈夫。私が最大限アキトの力を引き出すよ。」




結果的に剣が一番よかったってパターンもあり得るけども。


その時はその時です。





「じゃあ次行きまーす。」


「…っおい!?お前本気で…!?」


「手抜きしてどうすんのー。」




慣れない武器に四苦八苦するアキト。


そんなアキトに攻撃の手を緩めない私。



もう普通に隙あれば平気で斬っております。お陰でアキトは至る所から血を流していますが、急所は外してる上に浅く入れてるので大丈夫だと判断。





「俺を痛めつけたいだけか!?」


「もう少し頑張れー。」


「こんの鬼女!!!」




持ってきた武器は一通り試したものの、私は結局この日判断が付かず。


とりあえず可能性がありそうな武器以外は不要と消去法で、ある程度少しずつ絞っていくことにした。




今のところ残したのは、元々の剣と大刀、そして矛。


特殊な剣の中の一本、長身の剣も捨てがたかったけど、どうも普段の剣で慣れている分扱い辛そうだったので捨てた。