案内された武器庫には、様々な武器がある。


通常の剣。特殊な剣。大刀。矛。弓矢。鉞。


それぞれ特徴は分かってるので、とりあえず私はアキトに特殊な剣と大刀と矛を手渡す。




「どうすんだ、これ。」


「まあ念のため?」




それを抱えて朝稽古した広場へ。


着いてすぐに私は二本の剣を抜きます。




「へえ。」


「ん?」


「中々様になるもんだなあ。」


「……。」




ああ、嫌になる。


言うこと成すことハルと同じ。




「あ?何だよ?」


「…ほぼ一言一句違わずハルに最近同じこと言われたの。」


「光栄なことだなあ。」


「あーやだやだ。」




ホームシックが蘇ってしまう。


けど、これから修行なので。一旦邪念は払い除け、私はアキトに向き合う。




「とりあえず普通に稽古しましょー。」


「よし!やるか!!」




気合い充分なアキトも自分の剣を抜く。


すぐに私から攻撃を展開。



剣と剣がぶつかる金属音だけが辺りに響く。



そんな中で私はアキトの動きを型として捉えるため頭を働かせる。





「前よりかなり力を付けたみたいだけど、やっぱり少し…荒いよね。」


「ああ!?お前は余裕かよ!?」


「いやいや、私もうほぼ全力だって。」




驚くべき誤算。


たぶん前と同じく剣一本だったなら、私とほぼ同等ではないかと思うほど急成長しているアキト。



男子の身体能力の向上ときたら、本当に恨めしいほど羨ましい。




本来の一騎打ちならば、私はるうにももう劣るのかもしれない。