そんな話をしながら、カイの拠点の一つである街外れの建物に入る。


そこで私はカイに情報拡散の指示を出す。


内容は勿論、私の現在地を示す情報。それを速やかにエゼルタへ発信してもらう。




「この面倒な情報操作ももうすぐ終わると思ったら寂しいなー。」


「え、終わるん?」


「今やってる対エゼルタ用の情報戦はね。もう現実的に続けられない。これ以上やるとカイの首を絞めちゃうから。」



あまり続けても怪しまれてしまう。


そんなに都合良く私の情報を得られているカイに不信感を持たれる前に、手を引かねばならない。


フェイクで嘘情報も挟んでるけどね。そこがバレるのも時間の問題なので。





「馬鹿相手にはまだ使えるから、お金には困らないと思うよ?」


「お嬢ってたまに辛辣よな。」


「優しいだけじゃ将軍なんて出来ないからねー。もう違うけどー。」


「お嬢の将軍時代って、どんなん?」



どんなんって聞かれても。


てか、おーちゃんの質問ってザックリしすぎてて解答いつも困るんだよなー。




「私よりるうが詳しいよー。私あんまり自分のこと把握してないもん。」


「…アイツか。」


「そう言えば念願のるうに会えてたねー。」


「念願って、俺の?」


「だってるうのこと聞かれること多かったし。会いたかったんでしょ?」