お昼寝から目を覚ますと。


私はアキトに抱き締められていて。



少し驚きはしたものの、やはりどうしてハルにそっくりなこの温もりから離れる気にはならなくて。





「…あー…。」




ハルに会いたい。


無性に会いたくなってきたー。




「また鬼人の代わりか。」


「…その呼び方やめない?ハルで良いと思うよ?」


「恐れ多くて無理。」


「アキトも人を敬ったり出来るんだね?」




今のところハル限定な気がするけど。




「…あ、私寝ちゃってごめん。腕痛くなかった?」


「全然。俺が寝てろって言ったし。」




いつの間にか恒例の腕枕までしてもらってて。


余計にハルが恋しくなったのは否めない。



私はゆっくり身体を起こし、早く読み進めたいと再び本に手を伸ばす。





「俺の稽古は?」


「あーそうだった。続き読みたいんだけどなー。」




どうしようかな。


先に稽古してから夜ご飯食べて、もう一回お風呂入って、改めてゆっくり読む方が効率的か。





「じゃあ今からでもいいー?」


「おう。」


「武器庫どこー?」


「武器庫?」




私の質問に疑問符を浮かべつつも、案内してくれるようで。


とりあえず私も動きやすい服に着替えて帯剣し、アキトと共にまず武器庫を目指した。