広美がナースステーションに戻るのと同時に、今度は小児病棟で入院している英美里(えみり)の祖母、陣内(じんない)よねが環のそばに寄って来た。 よねは80歳を過ぎた老女で、その穏やかな性格は誰からも好かれていた。 いつもの柔和な笑顔を環に見せながらよねは言った。 「環ちゃん、今の話ほんと?」 「よねさん。」 「ごめんね。聞こえちゃったもんやから。」 「・・・・・・。」