学校イチモテる天然王子の溺愛が甘すぎて溶けそうです…!

はあ…。私、何やってるんだろう。

千歳くんにあんな顔させるなんて、最悪だ…。

「雫」

「え、沙月ちゃん!?」

「もう、急に飛び出して行くからびっくりしたわよ」

「だって…。みんなの視線が怖くて」

いろんな人に見られて、コソコソ何かを言われる。

自意識過剰って分かっているけど、みんなが私を悪く言っているんじゃないかって不安になって、押し潰されそうになるんだ。

「千歳くんは、カッコよくて優しくてなんでもできて。でも私は、可愛くないし、勉強も苦手だし、運動もできないし、不器用で…。こんな私が彼女でいいのかなって、不安になるの」

「確かに、千歳くんはすごい人だよ?でも、そんな人が雫のことを好きって思ってるんだから、自信持ちなよ!」

「沙月ちゃん…」

「私も、雫のいいところたくさん知ってる。優しくて、周りのことをいつも気にかけてる。いつも私の話を真剣に聞いてくれるし、すごく素直で癒されるし!それでいて、意外と負けず嫌いで苦手なことからも逃げないじゃない?努力しようと一生懸命になってるの、みんなに伝わってるよ?…自覚がないだけですごく可愛いし」

沙月ちゃんがそんなふうに思ってくれていたなんて、初めて知った。

「とにかく!私も千歳くんも、雫のことが大好きで一緒にいるんだからね?いいところもたくさん知ってるんだから、そんな自分を卑下しないでよ。私も千歳くんも、雫の味方なんだからね?」

「沙月ちゃーん!!!」

「わ、ちょっと!?」

沙月ちゃんに抱きついて、私は涙を流していた。

こんなに思ってくれる友達がいて。

私は何を怖がっていたんだろう…。