学校イチモテる天然王子の溺愛が甘すぎて溶けそうです…!

慌てて逃げ出す雫。

俺が雫を逃がすとでも?

「捕まえた!」

「千歳くん、速すぎ!」

「いや、雫が遅いんだよ」

「意地悪…」

頬を膨らまして怒っている顔が、少し澪に似ていて可愛らしい。

…シスコンって言わないでね?

「次は雫が鬼だぞー!」

澪に聞こえるように言って、雫から少し離れて様子を窺う。

澪を追いかけるも、なかなか追いつけていない様子。

澪も幼稚園児の中ではかなり早いからな…。

追いついたと思ったら交わされ、息を切らしている。

可愛いけど、可哀想だな。

「鬼さん、こっちだぞ〜」

わざと雫の目の前を通り過ぎると、雫にタックルされた。