学校イチモテる天然王子の溺愛が甘すぎて溶けそうです…!

『分かった。今までいろいろごめん…』

私の言いたかったことが伝わらなかった。

呼び止めたけれど、彼は帰ってしまった。

私も、千歳くんのことが好きって伝えたかったのに…。

「雫、大丈夫?なにかあった?」

「…うん、実はね」

沙月ちゃんに相談すると、

「は?羽月くんヤバ、鈍感すぎでしょ」

「で、でも、そんなところも可愛いし…」

「もう、惚気ないでよ〜!雫を横取りされたみたいで寂しいじゃん」

沙月ちゃんに頭を撫でなでされて、少し不安が和らいだ。

「でも、伝わらないまま終われないでしょ?」

「う、うん」

「よし、行っておいで!」

沙月ちゃんに見送られ、私は屋上へと駆け出した。

千歳くんと、初めて出会った場所へー。