学校イチモテる天然王子の溺愛が甘すぎて溶けそうです…!

クラス内は、いまだにザワついている。

「ヤバい、千歳くんイケメンすぎ」

「もはや異世界存在だよね…」

「百瀬さん羨ましい…」

個々の反応に、いたたまれない気持ちになる。

もう、何が起こったか理解が追いつかないよ…。

「ちょっと雫!今度の日曜、朝8時に私の家集合ね!」

「え?8時!?」

「私の腕の見せどころよ。…雫をもっと可愛くさせてやるんだから!」

沙月ちゃんの気合いの入った物言いに、私は為す術もなく黙って頷くのだった。








そしてやってきた日曜日。

時刻は午前8時。気温は18度前後。天気は快晴。

今、私は沙月ちゃんの家にお邪魔している。

「待ち合わせまで時間はまだあるよね。早速始めよう!」

そう、沙月ちゃんが私のメイクアップ作戦をしてくれるということで、お言葉に甘えているのだ。

恥ずかしながら、メイクにはまったく知識がなく右も左も分からない状態。

そんな私の様子を見かねた沙月ちゃんが、名乗りをあげてくれたのだ。

「髪の毛は少し巻いて…。リップは薄いピンク。眉を少し整えて、アイメイクっと…」

ただ座っているだけの私に、どんどん修正が加えられていく。

「よし、できた!」