「ふふ、そんなに驚いてどうしたの?君が彼をやったのに」


 そう言って彼が目線だけで示した先には、未だに倒れている大男。

 そこで、先日叔母に言われたことを思い出した。

 『龍ヶ崎はもう本当に怖いところなのよ?完全実力主義で強い人が上に立って、その地位を得るためにずうっと血みどろの争いしてるのよ』

 これって、もしかしなくても私がここのトップを倒しちゃった感じ、?

 いや無理無理無理!
 総長ってなに?私は一般人なのですが!?


 「あ、あのぉ、実はぼくがやった訳じゃなくてですね……」
 「おかしいな?僕はこの目でちゃんと見ていたし、この場にいる全員が証人になってくれると思うんだけど……」
 「ひゃいっ、その通りです!!」
 「ふふ、良かったあ」


 こ、怖い……。あんなに優しそうだったのに、一瞬目の奥がギラついた気がする。


 「君が不安になる気持ちも分かるよ。新入生だもんね?そうだなあ……うん、決めた。玲央がお世話係ね」
 「は?おい、そんなこと俺聞いてねえぞ」
 「うん、今思いついた。先輩として色々教えてあげなきゃ」
「んで俺なんだ、ふざけんな」
「うん?僕知ってるんだよ?君がお昼」
「あああ!わーった!やるから黙れ!」


えっと?
気づいたらお世話係がつくことになりました。