獅子の皮を被った子猫の逃走劇




 瞬く間に囲まれた私は、抵抗するように見を捩るものの簡単に抑えられてしまう。

 すると、一人の男が、カッターのようなもので私の制服の前を切り裂いた。

 下着まで一緒に切られたようだった。

 途端に肌が空気に触れる。


 どんなに暴れてもびくともしなくて。

 こわい、やだ、助けて!

 そう叫ぶ声も、誰にも届かず宙でとけていく。


 抵抗を諦めた私の脳内に浮かぶのは折田先輩の姿。

 折田先輩、好きです。


 きっと私は今からひどいことをされてしまう。

 まだ汚れていない内に、心の中でだけでも想いを伝えたかった。


 そして、固く目を閉じる私。

 その時。

 鈍い音がして、身体が何かに包まれた。