本当のことは言わないで

試合が再開する。

6番バッターへの初球。
中居が投げると同時に3塁ランナーの諸田がスタートを切り、バッターはバントの構えをする。

スクイズだ。

バッテリーはこれを読んでいた。
外角へ大きく外し、空振りを取った。
そして諸田を挟みアウトにした。

1死3塁のピンチは2死走者なしの状況になった。

ベンチもスタンドもこの試合一番の盛り上がりとなる。

この勢いで6番バッターを抑えて反撃開始としたい。

6番バッターへの2球目は外角低めに外れてボール。

そして3球目。

中居の投げた変化球が甘く入ってしまった。

完璧に捉えられた。

打った瞬間隣の里音は悲鳴を上げた。

打球はぐんぐん伸びていきホームランになってしまった。

先程までの盛り上がりが嘘のように、静まり返ってしまった。

次の7番バッターは内野ゴロに打ち取りチェンジになった。

しかし点差は1対8になってしまった。