隣の席は、天邪鬼くん⁉

「先生たちがね、強いんだよ」

 私の疑問を見透かしたように、赤星くんが言った。

 あ、それでお父さんが採用されたんだ……!

「一番多いのは、ここの卒業生だね。それ以外でも、元不良だとか、格闘技で全国大会に出ただとか、いろいろな先生がいるよ。一ヶ月前に来た神浦先生も、この学校の元トップだとか」

 神浦先生……というのは、お父さんのこと。

 私とお父さんが親子だってバレると良くないからって、お父さんはこの学校ではお母さんの旧姓を名乗っている。

 私の転校も、あえて1ヶ月ずらしたんだ。

 最初に聞いたときはバレるとまずいなんて大げさな……って思ってたけど、確かにこの学校では秘密の方がいいかもね。

「あいつ――洸はかなりの天邪鬼だけどさ、根気強く付き合ってやってほしいな。悪いやつじゃないんだよ」

「仲、いいんですね」

「まあ、あいつとは幼稚園からの付き合いなんだ。……昔は、あんなじゃなかったんだけどね……」