隣の席は、天邪鬼くん⁉

「担任に頼まれたから仕方なく世話してやるだけで、おれは、あんたみたいに弱いやつは嫌いだからな。面倒ごとには巻き込むなよ」

 一時間目が終わった瞬間、私は改めてそう釘を刺された。

「ねえ、だからそれって……」

 私が聞こうとしても聞く耳を持たず、白瀬くんは席を立った。

 うつむく私に、白瀬くんはイライラしたように言った。

「なにぼーっとしてんだよ。次、音楽室なんだけど」

 それだけ言うと、白瀬くんはずんずん歩き出してしまった。

「えっ、あ、まっ、待って!」

 慌てて教科書を持って教室を出る。

 廊下の様子は、教室よりもひどかった。

 怒声が聞こえてきたり、にらみあってる人がいたり。

 殴り合いのケンカまで起こってる。

 この学校、いったい何なの!?

「……って、ちょっと待ってよ!」

 廊下の様子にあっけにとられている間に、白瀬くんはどんどん進んでしまっていた。

 こんな中に置いてかないで~っ!

 慌てて彼を追おうとすると。

「――危ないっ!」

 そんな声とともに、誰かに引き寄せられた。