隣の席は、天邪鬼くん⁉

 白瀬くんはうなだれたまま、ぼそりとつぶやいた。

「きっと宏だったら、あいつ――恒田のことだって瞬殺だったし」

「え?」

「昔から宏は、何でもできるやつだった。勉強も運動も、……ケンカだって」

 そう言って、白瀬くんはぎゅっと拳を握りしめた。

「おれは、トップになって自分の存在価値を証明をするためにここに来た。……だから、トップになれなきゃ、意味ねーんだよ」

「そんなことない! 私、私は……白瀬くんじゃなきゃいやだよ!」

「……は?」

「天邪鬼だけどほんとはすごくお人好しで、優しくて。私のピンチをいつも助けてくれるのは、白瀬くんだけだよ。私はそんな白瀬くんが、好きだよ! だからそんな、自分に価値がない、なん、て……」

 勢いで言ってから、しまったと思う。

 こんなところで告白なんて、するつもりなかったのに~っ!

「……んなこと言われたって、別にうれしくないんけど」

 反応が怖くて目をつぶった私の頭に、そんな言葉がかかる。

「……でも」

「でも………?」

 私が顔を上げると、白瀬くんの顔は真っ赤だった。

「べ、別に………………嫌いでは、ねーけど」

 そう言った瞬間、白瀬くんは立ち上がった。

「きっ教室戻るぞ! 授業始まってんだからな!」

「え⁉ さっきまでさぼるって言ってなかった?」

「いいっ!」

 ずんずんと早足て歩いて行ってしまう白瀬くん。

「ま、待ってよ~!」

 私もあわてて後を追う。

 ……ちょっとは私も、隣に並べるくらいにはなれたかな。

 もっと自分に胸を張って、自分を好きになろう。

 弱い自分に、負けないでいよう。

 いつか、天邪鬼な白瀬くんにも『好きだ』って言ってもらえるように!