隣の席は、天邪鬼くん⁉

「……なにすんだよ、若井」

 超不機嫌な声で、金髪の男子――白瀬洸くんはようやく先生の方を向いた。

「黒崎にいろいろ教えてあげるんだぞ。いいな?」

「はあ? なんでオレが……」

「1番安心して任せられるから、だ。この意味、分かるね?」

「――ったく、しゃーねーな」

 ちっと舌打ちした白瀬くんは、そこで初めて私の方を向いた。

 わ、きれい……。

 透き通るような白い肌に、金髪がよく映えてる。

 整った顔立ちは、まさに美少年だ。

 ……なんだかこの顔、どこかで見たことがあるような……?

 記憶を探るけど……ダメだ、思い出せないや。

 一方彼の方はというと、私を見るなり不快そうな顔をした。

「……あんた、強いの?」

「え……っと……?」

 いきなりの質問に、私は困惑する。

 強いって、どういうこと?

 まさか……いや、そんなはずない。

「おれ、弱いやつは嫌いだから」

「……え? それってどういう……」

 白瀬くんは素っ気なく言って、戸惑う私をよそにアメをなめ始めてしまった。