隣の席は、天邪鬼くん⁉

 ……と腹をくくって戦ってみたけど。

 さすがに人数が多すぎるよ!

 赤星くんの言うとおり、一人一人の実力は大したことない。

 だけど、とにかく人数で押してくる。

 ……あの時と、おんなじだ。

 私が白瀬くんをかばった、あの時。

 だけどあの時とは違って、白瀬くんはわたしの後ろにはいない。

 私の、ずっと先にいるんだ。

 ……追いつきたい。

 弱い奴は嫌いだ、なんて言わせない。

 私は胸を張って、白瀬くんの隣に立ちたい!

 ……でも、正直体力の限界だ。

 不登校で家に引きこもってた数か月間の私を恨むよ~!

「はぁ、はぁっ……」

 ちらっと背後の赤星くんを見る。

 その瞬間。

 赤星くんは目の前を通り過ぎようとした人の足元にすっと足を出した。

 その人はそれに気づかずに。

 足に引っかかって、ビターンッと顔面から転んだ。

「いったぁ~! きみ、僕の足にぶつかったでしょ」

 ……え?

 赤星くんが、大げさに痛がる。

 当然相手はブチ切れた。

「あんだと!? てめぇが足出してきたんだろ、雑魚が!」

「ふうん、雑魚、ねえ……」

 小さくつぶやきながら、赤星くんは長い前髪をかき上げた。

 赤星くんのまとっていた朗らかな空気が、すうっと冷えたような気がした。

「なっ、あんた、赤星宏……⁉」

「――トップに逆らうとは、いい度胸してるじゃないか」

 と、トップ⁉

「今のは僕にケンカを売ったってことで……いいよね?」