隣の席は、天邪鬼くん⁉

「えっ、いや別に、かわい子ぶろうとしてるわけじゃ……」

 言い返そうとする私の言葉は、尻すぼみになった。

 ……確かに、そうなのかもしれない。

 でも、だったら、どうしたらいいの?

 私はただ、『普通』でいたいだけなのに。

「そのままの黒崎でいればいいじゃん。この学園は自分を貫き通すための場所だって、おれは思ってるんだけど」

 そのままの、私で――

「……ありがと」

 まだ素の自分で行く勇気はないけれど、白瀬くんの言葉でちょっとだけ、自分を肯定できた気がした。

「なっ、何もしてないのに何で礼なんて――」

 白瀬くんが動揺したように言って、それをごまかすようにどこからともなくアメを取り出してなめ始めてしまった。

 だけど、なんとなくわかってきた。

 照れてるだけなんでしょ。

 そう思うと、そんな態度もちょっとかわいく思えた。