隣の席は、天邪鬼くん⁉

「ふうん。まあ別に、言いふらすつもりなんかもとからなかったけど」

「ありがとう」

 白瀬くんの言葉で私はほっと胸をなでおろした。

「あ、でも、葛田先輩たちが……」

「葛田? ああ、こいつらなら大丈夫だろ。女に負けたことなんか、普通はぺらぺら話さねーだろ。……まあでも、言っておくに越したことはない、か」

 そう言いながら白瀬くんは葛田先輩のもとへ歩いて行った。

 あおむけに倒れる葛田先輩の胸倉をつかんだ白瀬くんは、低い声で言った。

「今日のことは、誰にも言うなよ。まあ、女に負けただなんて、自分から言いふらすわけないだろうけど。あと、今度黒崎に手を出したら、どうなるか……わかってるよな?」

「ひぃぃぃ……」

 ぱっと白瀬くんに手を離されて再び地面に倒れた葛田先輩は、すぐに起き上がると仲間を連れて走り去っていった。

「……で、あんたは職員室の場所、分かったのか?」

 ……あ、そうだ。

 いろいろあって忘れてたけど、私、迷子なんだった!

「……道案内、お願いします」