隣の席は、天邪鬼くん⁉

 あたりは再び、静けさを取り戻した。

「大丈夫か、黒崎!」

 振り返った白瀬くんを見て、私の胸はなぜかドキッとした。

「あ、ありがとう白瀬くん……って、大丈夫⁉」

 私はさっと青ざめた。

 白瀬くんの白い頬には、殴られた痛々しい跡が。

 唇を切ったのか、血がツーっと垂れている。

 そうだ、さっき私をかばって……!

「ご、ごめんなさい! 私のせいで……。どうしよう、ばんそうこう……じゃないな。すぐに何か、冷やすものを――」

「……別にこんくらい、気になんないし」

 こんくらい……って、すっごい赤くなってるけど⁉

「別にどうでもいいだろ、おれの顔なんて」

 そんな吐き捨てるような言葉に。


「どうでもよくない! もっと自分を大事にしてよ!」


 気づけば私は叫んでいた。

 白瀬くんが、驚いたように目を見張る。

 一瞬後、私ははっと我に返った。

「ご、ごめんなさい。助けてもらった分際で――」

「あんた、もしかしてあの時の――」

「え?」

「……いや、何でもない」