隣の席は、天邪鬼くん⁉

 ついてこない方が悪い、なんて言いながらも、さっきよりゆっくり歩いてくれているのがわかる。

 赤星くんの言うとおり、天邪鬼な人なんだな。

 私はちょっと早歩きして、白瀬くんの顔を覗き込んだ。

「ありがとう」

「……別に。そんだけ早く歩けるなら、最初からそうしろよ」

 ふいっと目をそらして、再び私の半歩先を歩く白瀬くん。

 だけど、そのままスピードを上げることはしない。

 照れてるのかな。

 前を向いたまま歩く白瀬くんの白い頬が、少しだけ、赤く染まっているような気がした。