隣の席は、天邪鬼くん⁉

「きっ今日からこの学校に通うことになりました、黒崎千波です。よ、よろしくお願い、します……」

 しんと静まりかえった教室に、私の声だけが響く。

 親の仕事の都合で転校してきたこの学校。

 共学……のはずなのに、なんで男子しかいないの!?

 髪を伸ばしてがんばってヘアアレンジをして。

 慣れないメイクにまで挑戦して。

 今までの反省を活かして、本来の私とは真逆のおとなしい女子を目指して準備してきたのに。

 今度こそ友達を作って、普通の学校生活を送るために。

 っていうか、女子がいないどころか、言い方が悪いかもだけど、みんななんとなく……ヤンキーっぽくない?

 服装も、髪も自由だし、アクセサリーだってみんなつけている。

 もしかしてこの高校、やばいところ……?

 ちょっとお父さん。こんなの、聞いてないんですけど~っ⁉