時が経っても君を忘れない恋がしたい

「でしょでしょ?これ私が作ったやつで…って、勝手に食べないでよ!」


こんな人前で、よくカップルがやる「あーん」をやってしまうなんて…。


「は?なんでだよ。一口ちょうだいって言っただろ」

「そうだけど、うまくできたやつだったから大切に食べてたのに、それを一口で食べちゃうなんて…って、距離感!なんか近くない!?」


なぜか肩に回されている腕から逃れようとするが、ぐいっと引っ張られ鼻を及川くんの胸にぶつける。


「付き合ってんだから、普通だろ?いつものことなのに今更なんだよ」


いやいや、いつからいつものことになったわけ!?こんなこと初めてなんですけど。


「花村、これうまいから食ってみて」

「花村、ジャージ忘れたの?俺の着ていいよ」

「花村、一緒に帰ろ」


ホームルームが終わり席までやってきた及川くんの腕をがしっと掴むと、素早く廊下に出る。


「ねえ、及川くん。もしかしてだけど、みんなに及川くんが私に夢中って設定を信じさせようとしてる?」