カフェを出て、近くの海に来た。

あんなやつ、最低だ。

私は拳を握りしめて、歯を食いしばっていた。

ネックレスを外して、海に投げ捨ててしまおうと思った。なのに、腕を振り上げたまま、その腕が動かなかった。

なんで...。もう、嫌いなはずなのに。大嫌いなはずなのに。

どうしても手放せなかった。