最期に幼なじみに会いにいく

「あ……時間みたい。ごめんね、大好き、だよ」

そう姫叶は言った。すると堪えていたのか、涙が出ていた

何を言えばいいかわからず、呆然としていると、

「こんなこと言ってるけど、本当は、本当は!!お別れなんてしたくない……」

「姫叶……」

そんなの、俺だってそうだ。でも、俺の力ではどうすることもできない、

そう思った時、姫叶がなにか閃いたような顔をした気がした

「ひろくん、最後にお願いがあるの」

「……なんだ?」

「最後に抱きしめてほしい」

「わかった」

そう言って俺たちは抱き合った

「バイバイ、ひろくん。短い間だったけど、楽しかったよ。天界でも見守ってるね!」

そう言って微笑んで、姫叶は俺の腕の中で消えた。その途端俺は泣いてしまった

くそっ……!!!!どうして俺は!!!!!!

考えてもどうにもならないことは分かっていた。だが、まだ姫叶と一緒にいたい、まだ沢山話したい、そんな思いが俺の中にあった。だが、姫叶がいなくなったのは事実だ。これからは前を向いていこう。俺はそう心に決めたのだった――