睡魔の奏でるオルゴールの音色が

深夜のラジオから淀み無く流れ

午前0時の時を待つ私の眠気を誘った

ぴーんぽーんぱーんぽーん

午前0時を告げる音が鳴り響き

私はラジオのスピーカーに意識を集中させた

世界の皆様こんばんは!

この素晴らしき新世いかがお過ごしでしょうか?

もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが

本日午前0時より

13番目に視界に入った人間が悪魔に変わります

それではよい新世を!

ラジオの音はぷつりと途絶え

打ち寄せる波の様な

吹き荒む風の様な

不規則でありながら規則的な音が

ラジオから流れている様に感じた

13番目に視界に入った人間が悪魔に変わる・・・

理解しがたいこの言葉を信じられずに居た私は

外へ出ようとドアノブに手を掛けた瞬間

四方八方から悲鳴とも歓喜ともつかぬ叫び声が聞こえた

私はドアノブから手を引き

ドアに耳を当て外の様子を伺った

会話らしい会話は無く

喜怒哀楽ありとあらゆる人々の喚き声とざわめき

13番目・・・

13番目の人間を見さえしなければ

何も起こらないのか・・・?

それならば12人の人間に出会い

悪魔とは何なのか

今何がこの世で起こっているのか

推測しようと思った