私は今日も、そらを見上げる。




今日は蒼空と遊園地に行く日。

早い時間に起きて、朝からバタバタだった。蒼空が病気だと知ってから、ここ三ヶ月間の予定が急に増えた。

人でいっぱいの遊園地。蒼空とはもう合流している。

「ねぇ、どこ行くどこ行く?」

蒼空はこういうとき、いつも楽しそうにしている。はしゃいでいて、だれよりも幸せそうで。

「蒼空が行きたいところ行こう」

私はだれよりも蒼空の幸せを願って。

「あ、あそこ空いてる!」

蒼空が私の手を掴んで勢いよく歩き出す。

進行が遅い病気で、元気でいられる病気でよかったなと思う。そうじゃなければ、きっとこんなに楽しい思い出は作れなかったから。

最初に向かったのはメリーゴーランド。ジェットコースターなどよりも何倍も空いていて、すぐに乗ることができた。

なんだか懐かしいな、と思う。もう何年も前の話だけど、家族で乗ったっけ。まだ小さいときだったから、遊園地にも行けたのかな。また、行ける日が訪れたらいいけど。

優雅な音楽に合わせて、上下に動くメリーゴーランド。蒼空の髪が風に揺らされる。睫毛が長くて綺麗な温かい目。筋の通った鼻。シュッとしたフェイスライン。

こうして見ると、整った顔をしているな、と思う。人の容姿に興味はないけれど、蒼空は顔が整っていると断言できる。