私は今日も、そらを見上げる。


「ねぇ、この猫よく私たちのところにくるからさ、名前付けない?ほぼ私たちのペットだね」

蒼空が提案して、黒猫を撫でながら笑った。

「なんて名前にする?」

猫の名前といえば、ラテ、キナコ、ココ、ムギとかかな。でも、なんだかどれもしっくりこない。じっくり考えていると、

「みそらはどう?私たちの名前合わせて、美しい空で美空」

蒼空が閃いたようにそう言った。

美空。私が考えたどんな名前よりもしっくりきた。

「めっちゃいい。美空ね」

今日からこの黒猫の名前は美空。私たちが付けた、世界でたった一つの名前だ。