七時五十五分。もうすぐ花火大会が始まる。
「本日は海風花火大会にお越しいただき、誠にありがとうございます。まもなく花火の打ち上げを開始いたします。ご来場の皆さまは周囲の安全にご注意の上、お楽しみください」
花火大会のアナウンスが流れた。人もさっきより増えてきて、全体的に賑やかだ。
「ねぇ、めっちゃ楽しみじゃない?」
蒼空がワクワクしていて、デジカメも構えている。
「うん、絶対凄いよ」
海と花火なんて、盛り上がるに決まってる。そんなことを思っていた直後。
ヒュー...ドーン!
大きい音と共に、夜空が明るく光った。
「始まった!」
蒼空が目を輝かせる。花火が次々と打ち上げられる。
花のように広がり、流れ星のように流れ落ちていく。そんな花火に、目も心も奪われた。
バチバチと打ち上げられる花火。私は目を離せなくて、言葉も出ないほど魅入っていた。
花火が下から上へ上がっていき、迫力満点で広がる。星が降り注ぐように花火が落ちる。



