私は今日も、そらを見上げる。




その日の夜。外は薄暗く、窓にはポタポタと雫が付いていた。私が帰ったあと、急に雨が降ってきたのだ。雨が降る前に帰れてよかったな、と思う。

スマホの画面が光り、見てみるとラインの通知がきていた。だれからだろうと疑問に思いながら、通知をタップする。

メッセージは、蒼空からだった。前の会話を見てみると、最後に言葉を交わしたのは、中学生の一月下旬頃。
ずいぶん長い間喋ってなかったんだな。そう思いながら、蒼空からきたメッセージを確認する。

『残りの三ヶ月で、美雲と楽しい時間を過ごしたい』

あぁ、蒼空は病気なんだ、と実感する。落胆しそうになるけれど、私は前を向いて生きていかないといけないんだ。

カチカチ、とスマホの文字を打つ音が鳴る。

『私も』『蒼空が行きたいところどこでも着いていくから、幸せになって』

ポン、と二個続けて送った。数秒経つと、すぐに既読がついた。

『もう既に幸せだけどね笑』

文面から、蒼空の温かい笑顔が思い浮かんできた。