私は今日も、そらを見上げる。


「はぁ、なんか、スッキリした...!」

悩みを人に打ち明けられたから、だいぶスッキリしたのだろう。蒼空は伸びをして、釈然としていた。

どんな小さなことでも、人を楽にさせられることもあるんだな。

諦めていた。どうせこうだからとか、適当な言い訳を考えて。でも、私にやれることなんて、まだいくらでもあるのかもしれない。

「ねぇ、見て。これ」

蒼空がスマホを取り出して、私に画面を差し出した。その画面には、一つの写真があった。

「空。去年の冬に撮ったんだ」

「綺麗...」

写真を見て、思わず声が零れた。

青い空が、下になるにつれて白っぽくなっていて、まるで冬の寒さが空に映し出されているようだった。そんな空に、夕日に照らされてオレンジ色に輝く飛行機雲。

「写真部だからカメラでも撮ったんだけど、今日は持ってきてなくて」

やっぱりカメラには敵わないだろうけど、スマホでも、空ってこんなに綺麗に撮れるんだ。ついつい魅入ってしまう。

「他にもあるよ」

蒼空が指をスライドして、また違う空の写真を目にする。

下から順に、オレンジ色、ピンク色、紫色、青色。幻想的、という言葉がよく似合う。