「蒼空がもしみんなから嫌われたとしても、私は絶対に嫌わないよ」
「うん、ありがとう...」
絶対なんて存在しないと思うけれど、それぐらい蒼空に対する気持ちが強かった。
「ねぇ、美雲って呼んでもいい?今度はちゃん付けじゃなくて、呼び捨てで」
「いいよ。私も、蒼空って呼ぶ」
いいに決まってる。呼び捨てにすることで距離が縮んだみたいに思えて、嬉しかった。
蒼空も大変なことが色々あるんだな、と親近感が湧く。傍から見たら明るくて悩みなんて何一つなさそうなのに、実はそんなこともない。
「私、美雲のおかげで居場所ができた。ほんとの私を、見つけることができた」
私は、人の役に立てたんだ。こんなちっぽけな私でも、だれかの救いになることができたんだ。
「それは私も。友達ってなんだろうって、思ってたから」
あぁ、なんか。
生まれてきてよかったな。
「もっと、私が思ってること、打ち明けてもいい?」
そう言う蒼空は、過去のことを思い出しているようで、顔を歪めていた。
蒼空が本音を吐いて少しでも楽になれるのなら、私は何時間だって蒼空の話を聞く。
「いいよ、なんでも言って」
蒼空に同情して、私まで辛くなりそうだ。
「ありがとう、美雲...」



