…だったら。
「じゃあ、私たち。またゼロでも、やり直さない?」
だったら、もう上辺だけの友達なんかやめよう。上辺だけの友達という仮面を外して、また、関係を作り直そう。
「うん...!」
積み木に例えるとするならば、綺麗に揃えられたお城なんかじゃなくて、自由に組み立てるような、名前のない積み木を作っていくようなもの。
「あとね、私、もう二つ秘密があるんだ」
また、秘密。蒼空は、人に言えず一人で抱えているものが多いような気がする。
「一つは今話すけど、もう一つの話をするのは、もっと先になるかも」
それほど重大なことなのだろう。どんなことでも、蒼空が話すまで私はずっと待ち続けるよ。
二つ目の秘密を暴露された。
「私、みんなに合わせてたんだ。今までずっとね」
嘘。私には、蒼空には友達が沢山いて、みんなと仲良くしているように見えていた。それなのにずっと合わせていただなんて、どれほど疲れるのだろうか。
「嫌われるのが怖くて、いつも周りの様子を窺うのに必死だった」
蒼空の横顔が、陽の光に照らされる。
そんなことをずっとしていたなんて、どれほど辛いのだろうか。人は見かけによらないって、本当なんだな。
きっと蒼空は、嫌われるのを過剰に恐れているんだ。過去になにかあったのだろうか。
聞いてみると、私の予想は当たっていた。
蒼空には昔、仲の良かった友達がいたらしい。そのときはまだ子供だったから、あることがきっかけでその友達に嫌われてしまったらしい。それが理由で、怖くなったそうだ。あること、とはなにか分からないけど。



