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昨日に続き、屋上へと足を運んだ。
ドアノブを手にかけ、心拍数が上がるのを誤魔化すようにドアを開けた。
「あ...」
蒼空は私より先にきていたようで、はっとしたように私を見た。
蒼空の隣に立つと、自然と距離が空いていた。お互いどこかぎこちなくて、気まずい。
「で、昨日のことなんだけどさ...」
「...うん」
私は次に発せられる言葉を、ただただ待った。
「とりあえず、ごめん」
蒼空に、軽く頭を下げながらそう告げられた。私は口を開けて漠然としながら、蒼空は続けて言った。
「感情に任せて嫌いとか言っちゃって、ごめん」
え...?じゃあ、嫌いっていうのは、本当じゃないってこと?
「え、いや、私こそしつこく聞いて、ごめん」
困惑気味になりつつも、私は謝り返した。私こそつい感情に任せて、蒼空の気持ちを想像できていなかったから。
「嫌いっていうのは、なんというか、ほんと...ではある。だけど、原因は私にあるんだよね」
言葉の意味が、理解できなかった。嫌いなのは本当、でも原因は蒼空にある?蒼空に原因なんて、あるのかな。私にあるのなら考えられるけど、蒼空にあるとは考えられない。



