「そうなんだ!どこで話す?」
たしかに。あー、こういうときに限って重要なことを考えてないんだから。
「ほんとにごめん。考えてなかった...」
申し訳なくて、手を合わせてそう謝った。
「ううん、大丈夫だよ!あ、ちなみに私写真部だから屋上も行けるけど、どうする?」
写真部、か。屋上なら、二人でちゃんと話し合えそうだ。
「そうなの?じゃあ、屋上行ってもいいかな」
「うん!行こ行こ」
屋上なんて全然行ったことがなかったから、少しだけテンションが上がりそうになる。いや、こんなので浮かれてる場合じゃない。あくまでも蒼空と話すために行くんだから。気持ちを切り替えて、足を踏み出す。
いつもは絶対に上らないはずの階段。静かで、階段を上る足音がよく響く。
「ここだよ」
蒼空が重そうなドアを開け、屋上に着いた。隅の方に、蒼空と二人で柵に寄りかかる。
屋上から見る景色って、こんな感じなんだ。なんだか、不思議な気分だ。
「それでさ!話したいことって?」
話さないといけない。自分で決めたことなんだから、ちゃんとやらないとだよね。


