私は今日も、そらを見上げる。




ついに、放課後になってしまった。

今までは早く終わってほしいと思っていた長いホームルームも、今日だけは救いになった。先生が話をしている間も、緊張感が溢れる。

なにから話そう。どうやって言い出そう。ちゃんと伝えられるかな。蒼空はどう思ってるんだろう。

緊張感と共に不安も膨れ上がっていくばかりで、行動したことを後悔しそうにもなる。

たくさんのことを考えていると、「さようなら」という声が聞こえてきた。

やばい。もう行かなきゃ。

私は大きく息を吸って、席から立ち上がった。

周りの様子を伺って、みんなが出ていくのを確認する。

人が少なくなってきたから、重い足取りで、蒼空の方へ歩く。

蒼空の肩をとんとん、と二回叩き、言葉を発する。

「あ、えとー、ごめん、わざわざ時間つくらせちゃって...」

大丈夫...。きっと大丈夫だから。

「全然だよ!それで、どうしたの?」

中学生のときと変わらない、明るい微笑み。

「誘ったときも言った通り、ちょっと、話したいことあって」

考えなくていいことを考えすぎて、声が震えそうになる。落ち着け。深呼吸、深呼吸。