「当たり出るかなぁ」
二人共食べ終わり、当たりかハズレか確認しようとする。
当たり付きの棒。私だって少しはワクワクする気持ちもある。
「じゃあ、せーので見るよ?」
「分かった」
どうせ当たりなんて出るはずないと思うけど、謎のドキドキ感があった。
「せーの!」
蒼空の声と同時に、棒の文字を見る。
「うわー、ハズレ!」
「私もハズレ」
どっちもハズレだった。
まぁそりゃそうだよな、と思う。当たりなんて、相当運が強くない限り出るわけないし。
勝手に納得していると、蒼空がスマホを取り出した。
キーボードのカチカチ、という音が聞こえてきたから、だれかから連絡でもきたのだろう。
「これ、当たり出る確率三パーセントらしいよ!」
でも、連絡がきたのではなく、当たりが出る確率を調べていたらしい。それにしても、三パーセントだなんて。
「絶対当たらないじゃん」
「だよね!」
静かな木陰の中で、微かな笑い声が零れる。



