「あ、でも、今木陰に来たばっかりなのに買いに行きたくない?それか私が美雲ちゃんの分も買ってこようか?」
「え、いや、全然...!私が食べたいって言ったんだし、行こう」
流石にそれは申し訳なくて、少し焦りながらそう答えた。
「そう?ありがとう!早く行こ!!」
蒼空が歩き出して、私もその後に続く。
蒼空は行動力があって、みんなに優しくて、明るくて、人気者で、なにもかもが完璧だ。
私とは正反対の性格。
私は蒼空みたいな行動力も無いし、ひねくれてるし、すぐ暗いことばかり考えるし、友達もいない。
自分はなんてちっぽけなんだろう。蒼空との差が激しすぎる。
「ねぇ、美雲ちゃんはアイス何味が好きなの?」
蒼空にそう聞かれ、はっと我に返った。蒼空に暗い顔を見せてしまったかもしれない。
「あー、んー、チョコとかかな...?」
「チョコかぁ、美味しいよね!」



