人と話すことに慣れなくなっていたから終始オドオドしてしまったけど、蒼空の包容力のおかげでなんとか耐えられた。 私はチャイムが鳴る直前に、ギリギリで自分の席に戻った。 たった一瞬の出来事だったけど、私はほのかな幸福感に包まれていた。 でも、里奈達の方を見たら、またコソコソとなにかを喋っていた。 …見ちゃダメ。里奈達の方には向かないようにしよう。 学校は憂鬱でついつい気分が下がりそうになるけど、蒼空のことを思い出せば少しは頑張れそうな気がした。